タクシードライバーの求人情報や口コミをチェックするとき、「足切り」という言葉を見かけたことのある方もいるのではないでしょうか。
初めてタクシードライバーへの就職・転職を考えている方が覚えておきたい単語のひとつが、足切りです。ここではタクシー業界で使われる足切りの意味についてご紹介します。
タクシードライバーの「足切り」とは？
「足切り」といえば、大学入試で一定水準に満たない試験結果の受験生を切り捨てる（二次試験の資格を与えない）ことを指すため、聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。
実は、足切りそのものは入試以外の場でも使用される単語です。まずはタクシー業界でいう「足切り」とは、どのようなものなのかを解説いたします。
足切りは営業ノルマのようなもの
タクシードライバーにとっての「足切り」は、一般的にはノルマと呼ばれるもののことです。毎日の売上が、タクシードライバーの給与の歩合を決める指標のひとつとなります。足切りを満たしていれば、その月のインセンティブが発生する仕組みです。
タクシードライバーは、まず足切りのラインを超える売上を出すことが求められます。
ただし、タクシー会社すべてに足切り制度があるわけではありません。なかには足切り制度自体を設けていないところもあります。
タクシードライバーのノルマについては、以下の記事でも詳しく紹介しています。
「タクシードライバーにノルマはある？達成を目指すポイントを紹介」
足切り＝ノルマを達成できないとどうなる？
売上が足切りラインまで届かなかったとしても、基本給は支給されます。ただし前述のとおり、足切りラインをクリアできているか否かでインセンティブの歩合率が変わったり、そもそも支給されなかったりするため、注意しましょう。
足切りに応じて設定される歩合率は、タクシー会社ごとに異なります。
たとえば基本給が25万円で足切り額が40万円、歩合率が50％のタクシー会社で営業利益50万円稼いだ場合、得られる給料は下記のとおりです。
足切りのラインに達しているか否かで、5万円もの違いが生まれます。
足切りラインの平均は？
足切りの金額は、一般的には1日3万円前後で設定されています。タクシー会社によっては、4万円など異なる金額の場合もあります。
インセンティブが得られるうえ、歩合率も異なるため、高収入を目指すのであれば足切りラインを意識した働き方が必要です。
また、「足切りラインをいくら超えたか」も重要です。足切りラインを超えた額が大きいほど、歩合率も大きくなります。
足切りのある会社の給与相場は？
足切りのある会社は、歩合率の変動もあるため、頑張れば頑張るほど高い給料が得られるメリットがあります。正社員の場合、平均年収は約370万円です。
足切りというとマイナスポイントのように思えますが、実際は高収入を目指せる便利な仕組みでもあります。
足切りを達成するための工夫
足切りラインに達するためには、毎日の営業を行う必要があります。効率的に売上を出すためのポイントは、次の4つです。
駅前のタクシー乗り場で集客する
都市部でまず検討すべきことが、駅での集客です。駅前のタクシー乗り場は、多くのタクシー利用者がいるスポットです。
ただし、ほかのタクシーも多く客待ちしていることや、タクシー会社や地域ごとのルールを守る必要がある点に注意しましょう。
配車を利用する
それぞれのタクシー会社は、効率的に集客できるように配車システムを導入しています。タクシー会社から連絡が来たらすぐに迎えるように、常に準備しておくことが大切です。
乗客が多い場所を知る
地域によって、乗客が多い場所は異なります。たとえばイベント会場付近であれば、土日は特定の駅前での高い集客が見込めます。
日頃からどこに人がいるのか、どのような日に集客しやすいのかを分析し、ライバルの数も把握して効率的に動きましょう。
流し営業をする
分析・把握した利用者が多いエリアを中心に、こまめにタクシーを流すことも売上増加のコツです。駅前で順番を待つだけではなく、街中でも積極的に集客へ挑戦しましょう。
まとめ
タクシードライバーの給与システムには、足切り制度が設けられている場合があります。最低限のラインを超えているか否かで給与が大きく変わるため、まずは足切りの条件をクリアすることが大切です。
一見リスクがあるように思える足切りですが、実際は歩合率アップなど基本給以上に稼げるチャンスでもあります。効率良く稼ぎたい方こそ、足切りラインを意識して働きましょう。
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